医療広告規制(医療広告ガイドライン)に配慮したWeb制作
医療向けのWebサイトを多数手がけてきました。医療事業者は医療法の規制をうけます。特に広告規制については厳しい規制がされています。なかでも「医療広告ガイドライン」が公表されており、広告の媒体や広告の内容について細かく指定されています。医療法の規制を知らないWeb制作事業者や広告事業者は安易にビフォーアフター画像や患者の体験談等を掲載していまい保健所から指摘を受けているということが現実にあります。当方は医療法に基づく広告規制を正しく理解し、それに準拠したWebサイト制作を行っています
医療広告ガイドラインとは
医療広告ガイドラインとは、医療法に基づいて、医療機関の広告表現に関する適正なルールを示した指針です。患者が誤った判断をしないよう、広告表現には厳格な制限があります。
広告で禁止されている事項は大きく7つあり、①虚偽の内容、②他と比較して自らを優良とする内容(比較優良広告)、③誇大な内容、④公序良俗に反する内容、⑤患者などの体験談、⑥治療前後の写真(ビフォーアフター)、⑦名称などに関する不適切な内容、が挙げられます。
2018年の医療法改正により、これまで規制対象外とされていた病院やクリニックのWebサイトも、「誘因性」がある場合は広告とみなされ、これらの規制が適用されるようになりました。
ただし、「限定解除規定」に該当する情報であれば、条件付きでWebサイトへの掲載が認められます。たとえば、患者が自発的にアクセスするサイト内で、治療法の詳細、費用、リスク、標榜診療科などを正確かつ網羅的に記載する場合がこれに当たります。
つまり、医療機関のWebサイトは、単なるデザイン性や情報量だけでなく、法的な配慮が欠かせません。制作にあたっては、ガイドラインを正確に理解したうえで、適切な表現を選ぶことが求められます。

制作にあたって遵守しているポイント
医療機関のWebサイト制作では、医療広告ガイドラインの遵守を最優先にしています。虚偽・誇大・比較優良表現の排除はもちろん、自由診療に関しては費用・副作用・治療期間など、必須事項を漏れなく記載するよう配慮しています。
また、単に「法令に違反しない」だけではなく、「患者にとってわかりやすく、安心感のある情報設計」を心がけています。専門用語をかみくだいた説明や、構成の工夫によって、患者が知りたい情報に迷わずたどり着けるよう設計します。
さらに、SEO(検索対策)にも配慮しつつ、ガイドラインに触れない適切な表現で医院の特徴や強みを伝える工夫も行います。たとえば「患者様に選ばれてきた理由」や「当院の取り組み」といった見出しを活用し、訴求力を高めながらも法令を逸脱しない表現をご提案しています。
医療法に詳しい制作者に依頼するメリット
医療機関のWebサイトは、患者にとって重要な情報源ですが、その内容が医療法に反していた場合、大きなリスクを伴います。特に注意すべきは、①患者とのトラブル、②保健所からの指導・是正命令の2点です。
たとえば、誤解を招く表現や誇大な広告によって患者が不利益を被った場合、「そんな説明はなかった」「期待していた効果と違う」といったトラブルに発展する可能性があります。これは患者との信頼関係を損ねるだけでなく、クレーム対応や評判の悪化にもつながります。
さらに、医療法に違反する内容がWebサイト上に掲載されていた場合、保健所からの指導や是正命令の対象となり、場合によっては速やかな修正やページ削除を求められます。行政からの指導は、医院の信用にも大きなダメージを与えかねません。
こうしたリスクを未然に防ぐためには、医療広告ガイドラインを正確に理解し、それに基づいた表現で制作を行うことが重要です。医療法に精通したWeb制作者であれば、初期段階から適切なアドバイスが可能であり、手戻りも少なく、安心して任せることができます。
よくある誤解・ご相談例(FAQ)
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「最新の治療をしています」と書いてもいいですか?
「最新」「最先端」といった表現は、他施設との比較や誇大表現と捉えられる恐れがあります。客観的な根拠や出典を明示しても、広告としては不適切と判断される場合があります。
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「当院は地域で一番の実績です」と掲載しても大丈夫ですか?
他施設との比較や優良性の強調(いわゆる「No.1」表示)は原則禁止です。患者に優越性を誤認させる恐れがあるため、避ける必要があります。
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「治る・必ず改善する」など前向きな言葉を使いたいのですが?
治療結果を断定する表現は、誇大広告に該当するため使用できません。「改善が期待できます」など、客観的・限定的な表現に留める必要があります。
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「患者様の声」は信頼感があるので載せたいのですが?
患者の体験談は、広告には掲載できません(限定解除要件を満たす場合を除く)。個人の感想が他の患者の誤認につながると考えられているためです。
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ビフォーアフター写真を載せたいのですが、ダメですか?
治療前後の写真は原則広告に使えません。限定解除の対象にもならず、たとえ本人の同意があっても掲載は避けるべきです。
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「痛くない治療」や「安心の診療」などの表現は問題ありますか?
「痛くない」「安心」といった感覚に関わる表現は、患者ごとに感じ方が異なるため、客観性がないとして不適切になる可能性があります。
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医院の名前に「日本一」「名医」「専門医」などの言葉を入れてもいいですか?
医院名や標榜に関しても、「名医」や「日本一」といった名称は使用できません。また、「専門医」の表記は、学会などが公式に認定した資格である場合に限られます。
まとめ・お問い合わせ
医療機関のWebサイト制作には、見た目の美しさや情報の分かりやすさだけでなく、医療法に基づいた広告表現の適正性が求められます。ガイドラインに違反すれば、保健所からの指導や患者とのトラブルといったリスクも生じかねません。
CLOVERDESIGNは、医療広告ガイドラインへの理解をもとに、法令を遵守しながらも医院の魅力を正しく伝えるWebサイト制作を心がけています。初めてWeb制作をご依頼される方も、すでに公開中のサイトの見直しをご検討の方も、お気軽にご相談ください。専門的な知識をもとに、安心して任せられるWeb制作パートナーとしてサポートいたします。